実は、ヘッドホンというのは特殊な機材で、通常のスピーカーで聴く音と、ヘッドホンで聴く音では大きく異なる。
理由は単純で、スピーカーの音は前から聞こえてくるが、ヘッドホンは両側から音が入ってくるために、結果として頭の中で音が響くような感じになって、音の定位が曖昧になる。
これは原理的に仕方がないコト。
でもって、それを元の定位から聞こえてくるようにリアルタイムで処理する技術を開発してるトコがあって、それがつい先ごろ、DTM向けのVSTプラグインとして無償で提供されました。
ACOUSTIC FIELDという会社が開発した「HPL2 Processor Plugin」というのがそれ。
DTM関係では定番のこちらのブログで紹介してたので、うちでも実際に試してみるコトに。
いちおうUR22mk2買った時のバンドルDAWのCubaseは持ってますが、それじゃ音楽再生には向かないので、高機能プレイヤーソフトのMusicBeeを使用します。
これならプレイヤーもプラグインも全て無料で楽しめますので。
インストール作業
まずはMusicBeeをホームページからダウンロード。
インストーラー版とポータブル版がありますが、別にどちらでも大丈夫なのでお好きな方をインストールしてください。
自分はポータブル版をダウンロード、解凍して、C:\app\MusicBeeというフォルダに配置しました。
続いて、MusicBeeでVSTプラグインを利用可能にするプラグインのVST Hostをインストールします。
ダウンロード先はこちら。
下の方のDownloadのところにあるリンクからダウンロードします。
ダウロードして解凍したファイルの中にはmb_VST.dllというファイルだけが入ってるので、これをC:\app\MusicBee\plugin\フォルダにコピーします。
そして、最後にHPL2 Processor Pluginのインストール。
ホームページからWindows版をダウンロードしてきて解凍。
ダウンロードリンクは画面スクロールさせた一番下です。
中にはVST/VST3と32/64bitの4種類のプラグインファイルがありますが、MusicBeeから使えるのはVST 32bit版ですので、こちらを任意のフォルダにコピーしておきます。
自分はHPL2 Processor PluginのフォルダそのままMusicBeeのフォルダの下にコピーしました。
他にもVSTプラグインを使う場合は、ちゃんとフォルダを用意した方がいいんでしょうが、たぶんMusicBeeからは、これしか使わないはずなので。
設定
MusicBeeを起動して、左上のMusicBeeメニューから「編集」→「設定」と移動。
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一覧の一番下から「プラグイン」の設定画面を開くと、「VST Host」が読込済で、VSTプラグインのフォルダを指定するようになってるので、先ほどのHPL2 Processor PluginのVST 32bitフォルダを指定。
これで「適用」「閉じる」を押して、MusicBeeを再起動すれば設定完了です。
再生
さて、再生します。
当然ですが、PCにヘッドホンを繋ぎます。
そして、まず普通にそのまま再生。
まずいつも通りの音なので、特に不都合なく聞こえます。
次にHPL2を適用してみましょう。
画面右下の「イコライザとDSP」のアイコンをクリックして設定画面を開きます。
下のDSPプラグインの一覧に「HPL2 Processor」が加わってるので、チェックボックスをクリックすれば、HPL2にエンコードされた音が再生されます。
ふむふむ、なるほど。
音が変わるというより、音の流れ、耳へのぶつかり方が変わる…っていう感じでしょうかね。
特に、今まで中央に定位する音が、耳にぶつかってた感じがあったのが、ふわっと軽く前の方に回り込んでくれるような。
結果として、やや音圧(音量?)が下がるようですが、ここはフェーダーでもボリュームでも調整してあげればいいので。
個人差ありそうなるも効果大
自分、あまり音の立体感というか定位感には敏感じゃなくて、疑似3D音響なんかは、あんまり実感できない方ですが、これは割と明確な違いが聞き取れます。
長時間聴いた時の耳の疲れがだいぶ違いそうです。
たぶん、耳がイイ人ならもっと明瞭な違いが分かるのかも。
ヘッドホンリスニングの多い人は是非お試しあれ。
ただし、今のところPCでしか利用できないので、PCから有線のヘッドホンで利用するっていうのは、ちょっとリスニングスタイルを限定するかも。
Bluetooth等の無線ヘッドホンなんかを導した方がいいかな?