AppleのiCloudはiOSのアプリ専用のネットストレージ。
一般的なファイルをそのまま保存することはできずに、PagesなどのiOSアプリのデータを保存して、別のiOSデバイス(もしくはMac/PC)からアクセスするための、ちょっと特殊なネットストレージです。
それが、今回のiOS8にリリース合わせて、iCloud Driveとしてアップグレードされて、それまで不可能だったPDFとか、Word形式の書類とかが、そのままアップロード可能になりました。
ただし、注意点としてiCloud Driveへのアップグレードを行ったAppleアカウントでは、iOS7のiCloud対応アプリからはアクセスできなくなるので、ご注意くださいとのコト。
なんかわかりにくい。
どういうコトかと言いいますと…
iPhoneとiPadの両方を同じAppleアカウントで使用中で、かつ、PagesのようなiCloudにデータ保存可能なアプリを使用していた場合。
今まではiCloudに保存したデータはiPhoneからもiPadからも編集可能でした。
ところが、例えばiPhoneだけをiOS8にして、そこでiCloud Driveへのアップグレードを実行したとします。
結果として、iPhone(iOS8)では、今まで作成していた書類はそのまま編集可能ですが、iPad(iOS7)では、そもそもiCloud自体にアクセスできなくなります。
具体的にどうなるのか実験してみました
まず、iPhone(iOS8)とiPad(iOS7)を用意。
同じAppleアカウントを使ってるので、ワープロアプリPagesでは、同じ書類を編集可能な状態です。
まず、iPhone(iOS8)の設定からiCloudの設定に移動して、iCloud Driveへのアップグレードを実行します。
いろいろ警告されますが、そのまま続行してiCloudから、iCloud Driveへのアップグレードを敢行。
無事にアップグレード完了。
iPhone(iOS8)でPagesを起動すると、ちゃーんと今まで使っていた書類がiCloudの項目のところに表示されます。
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次にiPad(iOS7)でPagesを起動します。
すると残念なメッセージが表示されまして、そもそもiCloudの項目が現れません。
もともと、こちらのiPad(iOS7)で作成した書類だったんですが、iPad(iOS7)をiOS8にアップデートしない限り、もうiPad(iOS7)でPagesを同期しながら使用する術はないというコトになるわけです。
ちゃんちゃん。
まとめ
正直、この程度のコトで下位互換性を実現できないというのは非常にお粗末です。
Dropboxとか、OneDriveとか、ライバルがどこも当たり前に実現してる機能を実装できないAppleのソフトウェア技術に不安を感じるレベルです。
ついでにPDFも保存できますというので、iCloud.com経由でiClud DriveにPDFファイルを保存してみました。
が、現状このPDFをiOSデバイスで利用する術がありません。
ん~何なんでしょうね?
今、このタイミングでiCloud Driveをリリースするメリットもないですし、iCloudとiCloud Driveとで互換性を取らなかった理由もわかりません。
Appleのネットサービスに当たり無し…が今回も証明されてしまったようです。
iCloudを利用するアプリは純正アプリを除けばそれほど多くはありませんが、今後も積極的に利用するのはリスク高いですね。
以上。